
2024.9.25
「情報活用」を考える
〔知識及び技能〕の「情報の扱い方に関する事項」は、単独で学ぶのではなく、「読むこと」や「書くこと」の単元などと「セット」で学んでいくことが大切です。第2回では、4年生の実践をもとに、情報活用能力育成のためのポイントをご紹介します。
日本の食べ物を紹介する文章を書くという単元の導入として、子どもたちに「ボルシチ」を紹介しました。(ほとんどの子どもが「ボルシチ」はあまり知らないと話していました。)初めに示した文章は以下のようなものです。
分かったような、分からないような、そんな顔をした子どもたちがそこにいました。そこで、もう一つの文章を示しました。
「前より分かりやすい。イメージが頭に浮かんだ!」「知っているものと比べて説明しているから、伝わりやすい。」などの反応が子どもたちからありました。
このことから、「材料」「色」「味」などの観点を明確にして情報を比較するという「情報の扱い方に関する事項」を軸に、説明文の学習とも連携しながら、「日本の食べ物を海外の食べ物と比較して、留学生に紹介する文章を書く」という活動を設定しました。
まず、 導入でのボルシチの文章や、教師作成の作品例を読むことで、これから書く文章を具体的にイメージできるようにしました。その際、「日本の食べ物を紹介するとき、海外の食べ物と比較してみるとより分かりやすく伝えられる」ことにも気づけるように心がけました。
【どのような日本の食べ物があるかを出し合う姿】
【教師が例示した作品例】
説明文「くらしの中の和と洋」(東京書籍)を読み、観点ごとに比べると分かりやすいことを押さえます。その際、和の「畳」と洋の「カーペット」について書かれた内容を比較し、まとめていきます。
観点を立てて比べる意義を理解したら、食べ物の場合はどのような観点があるかを考えていきます。子どもたちからは、「材料」「味」「食べ方」「色」などの観点の案が挙げられました。
出し合った観点の案を手がかりにして、ここからは一人一人が紹介したい日本の食べ物について、本やインターネットから情報を集め、ワークシートにまとめていきます。
▲和の「生八つ橋」と、洋の「クレープ」とを比較しながら情報を集めたワークシート
まずは説明文「くらしの中の和と洋」に書かれた、和の「畳」と洋の「カーペット」をもとに、紹介文を書く練習をします。その後、日本の食べ物について、収集・整理した情報をもとに紹介文を書くという、本番の活動に取り組みます。
▼練習(説明文をもとにして書く)


▼本番(自分で収集・整理した情報をもとにして書く)


留学生が知っていそうな食べ物と比較しながら違いを述べることで、紹介したい食べ物の特徴が伝わるように文章を工夫して書いています。紹介文を読んで感想を伝え合い、単元の締めくくりとしました。
留学生に紹介することが目的ではあったものの、読んでみると子どもたちも初めて知ったことも多くあったようで、「私も知らなかった!」「作り方ってこうなんだね。」などの会話も聞こえてきました。「留学生が知らないことだから、○○(観点)が入っていていいと思うな。」「日本にしかないことだから、違いが分かっていいと思うよ。」など、比べたからこそよりよく伝わることを、友達と文章を読み合うことで実感している様子でした。書きあげた紹介文は、大学の留学生・国際交流センターに置いて留学生に読んでもらうようにしました。
「情報の扱い方に関する事項」を「読むこと」や「書くこと」などの単元に位置づけ、「セット」にすることで、子どもたちは単に覚えるのではなく、課題追究の過程で身につけていくことができます。子ども自身が「前よりも、できるようになった!」と実感できるよう、単元を作っていきたいものです。
第2回では、4年生の実践について、板書や作品例を豊富に交えながらご紹介いただきました。なお、過去のこくごスタジオの記事「学力調査から見る課題 第3回『情報の扱い方』の定着率に課題!」では、東京書籍の「標準学力調査」分析し、そこから見られる課題をもとに、指導改善のヒントをまとめています。ぜひ合わせてご覧ください!