
2024.1.17
中高接続を考える
先月より始まりました『高校の国語ってどうなってるの?』。今回も中学校の先生向けに、高校の国語について簡単に解説していきたいと思います。
前回の記事では、高校の国語は全部で6科目あり、必履修が2科目、選択が4科目あることをお伝えしました。今回は、必履修科目の「現代の国語」と「言語文化」について、少し掘り下げて行きたいと思います。この2科目は、大半の高校で1年次に設置されており、中学校を卒業した生徒は、まずこの2科目から学習が始まることになります。生徒にとっては、同じ教科でありながら、科目ごとに異なる教科書が配布されることに驚くかもしれません。
ここで本題に入る前に、高校の教科書事情について触れておきましょう。一般的に高校の教科書は、地域ごとではなく、学校ごとに異なったものを採用しています。高校によっては、学年ごと、もしくはクラスごとに違う教科書を採用する学校もあったりします。義務教育と比べると、教科書の種類も多いです。例えば「現代の国語」だけでも17種類(令和5年度現在)の教科書が発行されており、それぞれの高校で、生徒に合った教科書が採用されています。国語の全ての科目を足すと、なんと73種類(令和5年度現在)もの教科書が発行されているのです。
それでは、必履修科目の具体的な紹介に入っていきましょう。「現代の国語」・「言語文化」ともに見たことのないような新しい内容があるわけではありませんが、中学校の学習を踏まえ、内容が深化し難易度が上がっています。そのため中学校卒業までに、高校学習の土台となる基礎をしっかり固めておきたいところです。
☆実社会における国語による諸活動に必要な資質・能力を育成する科目。
☆標準2単位の必履修。
☆高校1年次に科目設置する学校が大半。
☆〔知識及び技能〕は、「言葉の特徴や使い方」「情報の扱い方」「言語文化」の3観点で構成。
☆〔思考力、判断力、表現力等〕は、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の3領域で構成。3領域を全て扱うのは、この「現代の国語」のみ。
☆配当時数は多い順に「書くこと(30~40時間)」、「話すこと・聞くこと(15~25時間)」、「読むこと(10~20時間)」。
☆取り扱い教材(主に読むこと)
○論理的な文章(説明文、論説文や解説文、評論文、意見文や批評文など)
○実用的な文章(報道や広報の文章、案内、紹介、連絡、依頼などの文章や手紙のほか、会議や裁判などの記録、報告書、説明書、企画書、提案書などの実務的な文章、法令文、キャッチフレーズ、宣伝の文章、インターネット上の様々な文章や電子メールなど。)
↑どちらの文章も、小説、物語、詩、短歌、俳句などの文学的な文章は除く
☆上代から近現代に受け継がれてきた我が国の言語文化への理解を深める科目。
☆標準2単位の必履修。
☆高校1年次に科目設置する学校が大半。
☆〔知識及び技能〕は、「言葉の特徴や使い方」「我が国の言語文化」の2観点で構成。
☆〔思考力、判断力、表現力等〕は、「書くこと」「読むこと」の2領域で構成
☆配当時数は「書くこと(5~10時間)」、「読むこと「60~65時間」。「読むこと」は、その中で古典が40~45時間、近代以降の文章が20時間程度と分けて示されている。
☆取り扱い教材(主に読むこと)
○古典及び近代以降の文章
・古典(古文は和歌、俳諧、物語、随筆、日記、説話、浮世草子、 能、狂言など。漢文は思想、史伝、詩文など。)
・近代以降の文章(詩歌、 小説、随筆、戯曲、説明、論説、評論、記録、報告、報道、手紙など)
↑これらに日本漢文、近代以降の文語文や漢詩文なども含める
ここまでの内容を、中学生にわかるように説明すると、非常に大雑把になりますが以下のようになります。
・高校になると、中学校で勉強した内容よりさらに難しいことを学ぶ。(だから今の勉強がとても大事)
・高1では、ほとんどの高校で「現代の国語」と「言語文化」という科目を勉強する。
・「現代の国語」は、社会に出た時に役に立つ実践的な勉強をする。主に説明文の教材を使って勉強する。
・「言語文化」は、昔から日本に受け継がれてきた、文化としての言語を勉強する。主に文学、詩歌、古典の教材を使って勉強する。
今回も高校の国語について簡単に解説してみました。先生方の参考になったでしょうか? 次回は残りの選択科目について解説したいと思います。どうぞお楽しみに!