中高接続を考える 高校の国語ってどうなってるの?

2023.12.20

中高接続を考える

高校の国語ってどうなってるの?

こくごスタジオ編集部

「先生! 高校の国語ってどういう勉強をするのですか?」
もし生徒にこのような質問をされたら、どうでしょう。返答に困ってしまう先生もいるのではないでしょうか。本シリーズでは、そういう先生たちのために、数回にわたって高校の国語について簡単に解説していきたいと思います。

これまでの高校の授業は?

まずは、ご自身が高校生だった時の授業を思い出してみてください。教材の読み取りに終始するような授業だったのではないでしょうか。実は、文部科学省も長年このような授業が行われていることを憂慮してきました。そのため平成30年に告示された高等学校の学習指導要領では、その反省を踏まえた改訂が行われました。その解説書の中で、これまでの高校の国語教育の課題は、このことも含め大きく二つあると記述されています。

①教材の読み取りが指導の中心になることが多く,国語による主体的な表現等が重視された授業が十分行われていないこと,話合いや論述などの「話すこと・聞くこと」,「書くこと」の領域の学習が十分に行われていないこと、
②(古典学習においては)日本人として大切にしてきた言語文化を積極的に享受して社会や自分との関わりの中でそれらを生かしていくという観点が弱く,学習意欲が高まらないことなどが課題

(高等学校学習指導要領(平成 30 年告示)解説【国語編】より編集部にて改変)

この課題に対応するため科目も一新されました。そして今、高校の国語は大きく変わりつつあります。


科目は全部で6科目、うち必履修は2科目

高校国語の科目構成

科目

標準単位数

現代の国語(必履修)

2

言語文化(必履修)

2

論理国語

4

文学国語

4

国語表現

4

古典探究

4

現行学習指導要領は、表に示した通り6科目で構成されています。それらの科目の中で、2単位の「現代の国語」と「言語文化」という科目が必履修とされており、高校卒業までには必ず履修させなければなりません。なお、標準4単位の「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」の各科目は、必履修科目を履修した後に選択して履習させることが原則とされています。まずは必履修2科目、選択4科目の合計6科目で構成されていることを押さえておくとよいでしょう。


目標・内容の考え方は中学校とほぼ同じ

目標は、各科目ともに資質・能力の三つの柱である〔知識及び技能〕〔思考力,判断力,表現力等〕〔学びに向かう力,人間性等〕のそれぞれに対応しています。同じく内容も全科目共通で、大きく〔知識及び技能〕〔思考力,判断力,表現力等〕の二つの枠組みになっています。
〔知識及び技能〕は、「言葉の特徴や使い方」「情報の扱い方」「我が国の言語文化」によって各事項が示され、〔思考力,判断力,表現力等〕は、領域ごとに指導事項と言語活動例が示されています。これは中学校の考え方と同じですね。

各科目の内容構成

 

〔知識及び技能〕

〔思考力,判断力,表現力等〕

 

言葉の特徴や使い方に関する事項

情報の扱い方に関する事項

我が国の言語文化に関する事項

話すこと・聞くこと

書くこと

読むこと

現代の
国語

言語
文化

   

論理
国語

 

文学
国語

   

国語
表現

   

古典
探究

     

現行学習指導要領から、全科目を通して〔知識及び技能〕の中に「読書の意義と効用について理解を深めること」という文言が示されました。また、同様に「語彙指導に関する事項」が明確に位置付けられ、中学校同様に読書と語彙指導の充実が求められています。さらに、「現代の国語」「論理国語」の〔知識及び技能〕には「情報の扱い方に関する事項」が位置づけられました。中学校の指導が、高校までつながっていることが窺えます。


「実社会との関わり」と「言語文化への理解」が大事

冒頭で引用した二つの課題のうち、「『話すこと・聞くこと』『書くこと』の領域の学習が十分に行われていない」という課題に対応する科目として「現代の国語」が新設されました。「実社会における国語による諸活動に必要な資質・能力を育成する」ことを目的とした科目で、さらに選択科目の「論理国語」「国語表現」で学習を深めることができるようになっています。

また同じく、「古典を始めとする言語文化への学習意欲が高まらない」という課題に対応するために、「言語文化」が新設されました。「上代から現代に受け継がれてきた我が国の言語文化への理解を深める」ことを目的とし、同じく選択科目「文学国語」「古典探究」で学習を深めていく構造になっています。

高校の国語を語る上で、特に大事なポイントは、この「実社会との関わり」と「言語文化への理解」の重視なのです。これも押さえておくとよいですね。

今回は高校の国語全体について共通する内容を取り上げました。次回からは各科目について具体的に解説していきたいと思います。どうぞ次回もお楽しみに!

ほかの記事を読む

TOPへ