
2023.4.5
学力調査から見る課題
このコーナーでは小学校国語に関わる学力調査の結果を分析し、そこから見られる課題をもとに、先生方の指導改善のヒントになる情報をピックアップしていきます。
みなさんは、東京書籍が発行している「標準学力調査」というものをご存知でしょうか? 児童生徒にどの程度の学力が身についたかを、学習指導要領に基づいた問題で測り、その結果を通して発見された課題から、先生方の授業改善・児童生徒の学力向上に役立てていただくための調査です。
これまでの小学校国語の調査結果からは、特徴的な課題がいくつか見つかっています。今回はその中の「言葉の特徴や使い方に関する事項」に注目してみます。
「標準学力調査」の中で、長きにわたり定着率が低いのが「修飾語」の問題です(小学校5年1学期版で出題)。
過去3年間(令和元年~3年)での「修飾語」の結果正答率は、以下の通りです(ここでは、実際に出題された問題ではなく、類題を掲載しています)。
(類題)
●次の文の「魚が」をくわしく説明している言葉(修飾語)を、あとから一つ選んでその番号を書きましょう。
庭の池に、大きな魚がいる。
1:庭の
2:池に
3:大きな
4:いる
正答:3
(過去3年間の平均正答率は63.7%)
1…3.3%
2…12.6%
3…63.7%
4…18.2%
(類題)
●次の文の「昨日」は、どの言葉をくわしく説明(修飾)していますか。あとから一つ選んで、その番号を書きましょう。
昨日、わたしは公園で友だちと遊びました。
1:わたしは
2:公園で
3:友だちと
4:遊びました
正答:4
(過去3年間の平均正答率は35.8%)
1…14.3%
2…31.3%
3…17.7%
4…35.8%
この結果からは、「パターン2」の平均正答率が低く、定着率に課題があることが一目瞭然です。同じ修飾語でも、言葉の直前に修飾語があるときとそうでないときで、明らかに正答率が異なっていることが分かります。
特に、過去3年間の「パターン2」の問題では、誤答の選択肢2を約3分の1に当たる31.3%が選んで解答しているという傾向がありました。
では、修飾語の理解を定着させるには、どのようにしたらよいでしょうか?
どの言葉がどの言葉を修飾しているのか、という文の構成を指導するには、言葉の関係の図を用いて、どの言葉がどの言葉に係っているのかを、視覚的に分かりやすく捉えさせることが大切です。
また、簡単な文の空欄に、さまざまな修飾語を入れる練習を積ませることも有効です。
さらに、分かりやすい方法として、どの言葉がどの言葉を修飾しているのかを、二つの言葉を続けて「意味が通じる」かどうかを確かめるということがあります。先ほどの「パターン2」の類題で見てみましょう。
こうすれば、意味が通じるのは「昨日⇔遊びました」の組み合わせとなり、「昨日」が修飾しているのは「遊びました」だということが分かります。
なお、過去のこくごスタジオ記事「どうすれば正しい文章を書けるようになる?」にも、文章を正しく書く授業についてのヒントが書かれています。ぜひ合わせてご覧ください!