授業のタネ 音読の楽しさでつなぐ国語授業

2026.8.26

授業のタネ

音読の楽しさでつなぐ国語授業

岩崎直哉(富山国際大学准教授)

明日の授業ですぐに使えるアイディアを紹介するシリーズ第6回! 今回は、富山国際大学の岩崎直哉(いわさき なおや)先生に、「音読指導」のタネを紹介いただきました。

コロナ禍以降、以前より教室から聞こえてくる音読の声が少なくなったように感じています。学習課題の多様化に伴い、十分な時間を確保しにくくなっているのかもしれません。しかし、音読には、言葉の響きを味わい、意味を捉え、自分なりの読みを深める力があります。そこで、短時間でも継続しやすい音読活動を、低・中・高学年別に紹介します。


例1 低学年 【声にしてみる楽しさ】

文字を声に置き換えることで、言葉の響きやリズムを楽しむ時期です。

①追い読み
まずは、先生が声の大きさ・速さの手本を示し、児童に読ませることが大切です。追い読みは一文ずつが基本ですが、間を空けないようにすることで、テンポよく進めるのがポイントです。少し声色を変えて児童にまねをさせる「まね読み」も有効です。

②役割読み・交代読み
物語文であれば、登場人物ごとに役割を決めて読むことで、音読劇にもつながっていきます。説明文であれば、「問い」の文と「答え」の文、事例のまとまりなどと役割を決めて読むことで、意味段落の意識を明確にすることにもつながります。

①や②のような日々の活動で声に出して読み、みんなで声を揃えて読むことが楽しいなと感じられるといいですね。


例2 中学年 【意味とつなげる楽しさ】

意味のまとまりを明確に意識できるようになる時期です。

③速読み
「1分間でどこまで読めるか」等と投げかけ、時間を測って挑戦させます。低学年では、意味のまとまりを意識させるために「句読点で止まる」ことを指導しますが、中学年では、多くの児童が意味のまとまりを捉えており、速読するには、句読点では止まらない方が有効です。ある程度すらすら読めるようになった文章を、さらに素早く読もうと投げかけることで、意味のまとまりがより意識されることが期待できます。

④続き読み
説明文の段落冒頭は、トピックセンテンス(段落の中心文)になっていたり、説明構造を象徴するような接続語が置かれたりします。説明内容だけでなく構造がイメージできるようになると、授業者が「しかし・・・」というひと言を読むだけで、児童はどこを読んでいるのかを瞬時に判別できるようになります。そんな児童から、立ち上がってその続きを読むようにさせます。

③のような子どもたちの挑戦心をくすぐる活動や、④のような文章構造を問うような活動を行うことで、読むことがさらに楽しくなるでしょう。


例3 高学年 【読みを広げる楽しさ】

音読の活動(表現)と読みの活動(理解)を自覚的につなげることのできる時期です。

⑤工夫読み
基本的に音読は、一斉あるいは複数名で声を揃える活動ですが、1人で工夫して読むことも大切です。物語文を工夫して読むと、それぞれに微妙な差異が見られることがあります(例:ごん、おまいだったのか!/ごん、おまいだったのか?/ごん、おまいだったのか…)。そのような違いを比べながら、なぜそのように読んだのかを考えることは、読解活動につながります。

⑥群読
複数人で読んでも、読解活動へつなげることができます。例えば、グループごとに群読をするとき、それぞれのグループはどこを強調したいか、そのためにどこに間を置きたいか、どのような強さ・速さが適切かなどを考えることになります。自分の解釈を声や表現に反映させて「音読」することで、「読解」を深め、作品理解をさらに高める活動が期待できます。

⑤のように一人一人の読みの違いを楽しんだり、⑥のように集団の読みを形成したりすることで、音読の楽しさが広がっていきます。

ここで紹介した活動は、それぞれの学年で特に取り入れやすいものです。また、実態に応じて学年を越えて取り入れることもできます。児童の様子、ねらいや教材に応じて、柔軟に活動を組み合わせ、音読することそのものを楽しめる時間を大切にしたいものです。

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