
2026.4.15
授業のタネ
明日の授業ですぐに使えるアイディアを紹介するシリーズ第3回! 今回は、香川大学教育学部附属坂出中学校の山﨑 大(やまさき まさる)先生に、中学校における「語彙指導」のタネを紹介いただきました。
今回お示しする授業実践は、元々私自身の語彙指導に対する反省から出発した実践です。それは、一言でいうと、生徒の意識が授業やテストの中だけにとどまってしまうような語彙指導になってしまっていたという反省です。文章を読む際に、難解な語句があったら時間をとって意味や用例を確認させる。それをテストで問う。そんな指導や評価をしていました。そんな指導や評価に対して、生徒は、辞書をひけと言われるから辞書をひく、テストに出るから覚えておく、そんな姿に見えました。個別的で限定的な知識の習得にとどまるような語彙指導ではなく、「生きて働く概念」を生徒が獲得していくための語彙指導を目指したいと思い、この実践に取り組みました。
実践における単元の概要をお示しします。
登場人物の心情の変化を捉えよう (題材:『さんちき』)
⑴ 語句の辞書的な意味と文脈上の意味との関係に注意して話や文章の中で使うことを通して、語感を磨き語彙を豊かにすることができる。
〔知識及び技能〕⑴ ウ
⑵ 登場人物の相互関係、心情の変化などについて、描写を基に捉えることができる。
〔思考力、判断力、表現力等〕C⑴ イ
⑶ 言葉がもつ価値に気付くとともに、進んで読書をし、我が国の言語文化を大切にして、思いや考えを伝え合おうとする。
「学びに向かう力、人間性等」
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知識・技能 |
思考・判断・表現 |
主体的に |
|---|---|---|
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①語句の辞書的な意味と文脈上の意味との関係に注意して話や文章の中で使うことを通して、語感を磨き語彙を豊かにしている。 |
①「読むこと」において、登場人物の相互関係、心情の変化などについて、描写を基に捉えている。 |
①登場人物の相互関係、心情の変化などについて粘り強く考え、学習課題に沿って考えたことを語り合おうとしている。 |
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時 |
学習活動 |
指導上の留意点 |
評価規準・ |
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1・2 |
○通読して疑問を共有したり、物語の設定を確認したりする。 |
・人物像や関係性を捉えさせる際、語り手の存在に着目させる。 |
[主体的に学習に取り組む態度]① |
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○レーダーチャートの作成を通じて、三吉と親方の人物像や2人の関係性を捉える。 |
・自他で見つけた複数の描写同士をつなげて考えさせる。 |
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3 |
○侍と車大工の比較を通じて、侍の場面における三吉の心情の変化を捉える。 |
・侍と車大工について、ベン図を用いながら整理して比較させる。 |
[思考・判断・表現]① |
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4 |
○生成AIが作成した日記を読み、語句の用い方を吟味する。 |
・語句の使い方を吟味させる際、文脈上の意味と辞書的な意味の両方に着目させる。 |
[知識・技能]① |
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○ぴったりな言葉を見つける。 |
・ぴったりな言葉を見つけさせる際、類義語等に着目させる。 |
この実践は「読むこと」領域の中で語彙を指導しています。生成AIが登場人物(三吉)に成り代わって作成した日記を読み、そこでの違和感ある語句の用い方に気付いて改善案を考えていくという内容です。生徒は三吉の日記に用いる語句としてよりぴったりな語句を探し求めて、文脈を確認し直したり、辞書を調べたりしていました。「読むこと」の指導を通して語彙指導をしたことにより、機械的な語句の暗記ではなく、実際の具体的場面をもった文章の中で、どのように使用されるべきかについて考えることができました。語彙力はまさに、言葉をキャッチする力。その力が高まれば、今回やった「読むこと」はもちろん、「話すこと・聞くこと」、「書くこと」も、より一層の深まりが見られるのだろうとワクワクしました。それと同時に継続的・計画的に鍛えてこそ、成果が見える力だとも思いました。引き続き実践を重ねます。