授業のタネ どの子も熱中する「話すこと・聞くこと」指導アイディア

2026.1.28

授業のタネ

どの子も熱中する「話すこと・聞くこと」指導アイディア

八巻修(塩谷町立船生小学校教諭)

明日の授業ですぐに使えるアイディアを紹介するシリーズ第2回! 今回は、塩谷町立船生小学校の八巻 修(やまき おさむ)先生に、「話すこと・聞くこと」指導のタネを紹介いただきました。

ある日、元気のよい男の子が自信満々で「発表したい」と手を挙げました。しかし、前に出るなりもじもじして話し方もたどたどしくなってしまいました。その姿を見て「威勢のよかった子でも人前に立つと難しいのだから、恥ずかしがる子ならなおさらだ。」と自分の捉えを改めました。こうした反省をもとに、各学年に応じて取り組んできた、子どもが熱中した指導アイディアを紹介します。


例1 低学年 【スモールステップの構成&日常で話す機会の設定】

単元を構成する際に、

①段階的に話すことや聞くことをステップアップできるように構成する。

②相手を変えて話したり聞いたりする機会を複数作る。

③単元内で発表会などを計画する場合には、お試しの機会を設ける。

この際、実際に話したり聞いたりする機会が繰り返し設けられていることが必須です。
また、話したり聞いたりすることは国語の時間に限らず身につけていくべき力です。

・健康観察の折に好きな食べ物や色などを添えて言う。

・給食で「いただきます」を言う前に、今日の献立について伝える。 など

ただし「スピーチがあるから行きたくない」といった負担にならないように気をつけましょう。


例2 中学年 【ペア・グループ・全体 目的に応じた形態】

交流に意欲的な中学年。形態に配慮することで一人一人の参加率にも影響してきます。

・ペア:意見をしっかり伝えることができる。一つのことをじっくりと考える際にもよい。

・3~4人グループ:「話す人」「聞く人」「二人のやりとりを評価する人」になって行うなどすると効果的。3人以上というコミュニティが、ペアとは違った話し合いをもたらしてくれる。

・5人以上:参加率が下がることがある。机は4人分にして椅子を寄せ合うなど配慮する。

また、それぞれの場面に応じて、立って向き合いながら伝える、机を取り払って話し合うなどの工夫も大切。

1回のアドバイスよりも繰り返し伝える機会を

互いの話し方や聞き方についてアドバイスと称して、「もっと間を取ったほうがいいと思います。」「抑揚をつけたほうがいいです。」といったダメ出しに終始してしまう場面に出会うことがあります。本番の発表ではなく、練習や試しの活動として設けるべきでしょう。相手や場所を変えて繰り返し話す機会があれば、次第に上達していきます。そして、よい点を伝えられることで自信につながり課題も解決していきます。


例3 高学年 【日常とのつながりを感じる生きた教材の計画】

修学旅行を経験した6年生が、5年生に向けて楽しく安全に旅行に行くためのポイントをプレゼン形式で伝える授業を実施しました。6年生は、絶景、お土産、宿での過ごし方など、それぞれに伝えたいことがあり、どの子も目的や意図に応じて資料を活用しながら話し方を工夫していました。一方、5年生は、来年度は自分たちが行くため、熱心にメモを取ったり質問したりしていました。どちらも自分につながりがあることなので、たいへん意欲的に取り組んでいた姿が印象的でした。
このように、子どもたちが日常とのつながりを感じられる実質的な事柄を教材化する視点が大切です。

・住んでいる町のおすすめ施設を紹介

・自分ができる身近な環境問題に対する取り組みの宣言

・自分が大好きな「推し」に関する推薦  など

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