教えて!教科書のコト 中学校の教科書がだいじにしていることって?

2023.11.22

教えて!教科書のコト

中学校の教科書がだいじにしていることって?

東京書籍(株)国語編集部

こくごスタジオでは、今月より中学校に関連する記事もお届けします。第1弾は、先生方の疑問にお答えする「教えて!教科書のコト」。教科書のマスコットキャラクターであるコトハが、ハテナーとともに教科書に対するさまざまな疑問に答えていきます。今回取り上げるのは、「東京書籍の中学校の教科書がだいじにしていることは何ですか?」。ぜひご覧ください!

令和3年度版「新しい国語」に登場するコトハとハテナー 令和3年度版「新しい国語」に登場するコトハとハテナー

ハテナー東京書籍の中学校の国語の教科書がだいじにしていることは何ですか?

コトハだいじにしていることはたくさんありますが、あえて絞れば、「世界観」と「系統性」。この2つのポイントが挙げられると思います。

ハテナー世界観と系統性……?


教科書に親しみを持つための「世界観」

コトハはい。まずは、世界観からご説明します。ところで、東京書籍の中学校の国語の教科書に、生徒のキャラクターが登場していることはご存じでしょうか。

ハテナー確か、6人ぐらいいたような……?

コトハそうです。竹田理奈(たけだりな)さん、平野高志(ひらのたかし)さん、清川京子(きよかわきょうこ)さん、高橋優馬(たかはしゆうま)さん、森山詩織(もりやましおり)さん、小林純平(こばやしじゅんぺい)さんの6人です。教科書の要所要所に登場することで、読者である生徒も彼女ら・彼らと同じ目線で、学びを深めることができます。

個性豊かな6人のキャラクター。学習を通して成長していくという噂も……? 個性豊かな6人のキャラクター。学習を通して成長していくという噂も……?

ハテナーあれ? 教科書の中だけじゃなくて、教科書の表紙にも生徒らしき人物が描かれていますね。

コトハそうなんです。実は、各学年の表紙に2人ずつ描かれている私服姿の人物も、教科書に登場する生徒のキャラクターたちなんです。各表紙にはテーマがあって、「桜」をモチーフにしている1年生の表紙は「出会う」。「橋」「雨(傘)」をモチーフにしている2年生の表紙は「悩みと希望」。「海」「空」をモチーフにしている3年生は「思いを馳せる」です。

テーマに沿って描き下ろされた表紙絵(1年)

テーマに沿って描き下ろされた表紙絵(2年)

テーマに沿って描き下ろされた表紙絵(3年) テーマに沿って描き下ろされた表紙絵(上から1年、2年、3年)。絵:げみ

ハテナーなるほど。各学年の表紙を通して、生徒たちが広い世界や未来に向かって成長する姿を感じ取ることができますね。

コトハそうした世界観は、表紙以外にも生かされています。どこのページだと思います?

ハテナーあ! 巻頭詩の背景のイラストでしょうか?

コトハご名答! 表紙をめくった最初の見開きに載っている巻頭詩の背景。それが、表紙のイラストとつながっているんです。ほかにも、表紙に登場した生徒が本扉にあたるページで再登場したり、「言葉の学習を始めよう」という冒頭部分の扉のページでも、表紙に関係するモチーフが描かれていたりするんです。

ハテナー教科書を使う生徒たちが親しみを持てるように、教科書としての世界観を大切にしたさり気ない工夫がされているんですね。
もう1つのポイントである系統性についても、教えてください。


段階的に「言葉の力」が積み上がる「系統性」

コトハ系統性についてご説明する前に、「言葉の力」について振り返ってみましょう。「言葉の力」がどのようなものかは、ご存じでしょうか?

ハテナー学習のポイント、ぐらいのざっくりとしたイメージしか……。

コトハもう少し丁寧に説明すると、「言葉の力」とは「その教材を通して身につける汎用的な言語能力」のことです。

ハテナーは、はんようてきな、げ、げんご……?

コトハちょっと分かりづらかったでしょうか。具体例で見てみましょう。例えば、1年生の「読むこと」の説明文教材「私のタンポポ研究」では、「事実と考えとの関係を捉える」という「言葉の力」を設定しています。これは、「事実と考えとの関係を捉える」という言語能力を身につけることで、「私のタンポポ研究」の読解が深められる、ということです。同時にまた、その力が「私のタンポポ研究」以外の説明文を読むための基礎的な力にもなっている、ということでもあります。

ハテナーそこまでは理解できました。では、系統性とはどういうことでしょうか?

コトハ系統性には、2つの軸があります。1つは、横の系統性。もう1つは、縦の系統性です。

ハテナー横が学年内のつながりで、縦が学年をまたいだつながり、ということでしょうか?

コトハ鋭いですね。そうなんです。横の系統性というのは、同じ学年内の教材どうしのつながりを意味しています。例えば、1年生の「私のタンポポ研究」であれば、教材の直前に置かれた「学びの扉(事実と考えを区別する)」、および、その詳しい解説である資料編の「学びを支える言葉の力(事実と考えを区別する)」を生かして学習を深めることができます。

ハテナー「学びを支える言葉の力」が、「言葉の力」をさらに下支えしている、ということでしょうか?

コトハその通りです。そのうえで、そこで身につけた「言葉の力」が、「話すこと・聞くこと」「書くこと」といったほかの領域の教材にも生きてくる、というのが東京書籍の中学校の国語の教科書の大きな特徴になっています。

横のつながりの例(1年「私のタンポポ研究」を中心に) 横のつながりの例(1年「私のタンポポ研究」を中心に)

ハテナー先ほどの「私のタンポポ研究」であれば、そこで身につけた「言葉の力」が、直後の「書くこと」の教材「根拠を明確にして書こう」や「話すこと・聞くこと」の教材「中心を明確にして話そう」にもつながってくる、ということですね。

コトハそうです。次に、縦の系統性についてです。例えば、説明文であれば1学年に3つの教材がありますが、それぞれ「構成・展開」「吟味・判断」「言葉とメディア」という3つの系統に対応しています。先ほどの「私のタンポポ研究」は、「吟味・判断」系統の教材ですが、そこで身につけた「言葉の力」が、2年生の同じ系統の「黄金の扇風機/サハラ砂漠の茶会」、および、3年生の同じ系統の「幸福について」の「言葉の力」へと、段階的に積み上がっていきます。

縦のつながりの例(説明文〈吟味・判断〉の系統) 縦のつながりの例(説明文〈吟味・判断〉の系統)

ハテナー縦の系統性というのは、「読むこと」の説明文だけのものでしょうか?

コトハいいえ。「読むこと」の文学教材も同様ですし、「話すこと・聞くこと」「書くこと」についても、1年生で身につけた「言葉の力」が、2・3年生の同じ系統の「言葉の力」へと段階的に積み上がっていく構造になっています。
教科書の後ろ見返しにある「言葉の力」の一覧や、この資料「系統・「言葉の力」一覧/教材一覧」も参照してみてください。

ハテナーなるほど。世界観といった情緒的な面だけではなく、系統性といった実際の学習効果の面においても工夫を凝らした教科書なんですね。
教科書の見え方がいちだんとクリアになった気がします!

コトハとハテナーによる教科書のご紹介は、いかがだったでしょうか? 教科書についての詳しい解説は、東京書籍のウェブサイトでも展開しています。ぜひ合わせてご覧ください。
中学校教科書:令和3年度「新しい国語」のご案内

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