
2023.2.15
授業作りQ&A ④
国語の授業作りでの、悩みごとや疑問はないでしょうか? 授業作りのアイディアやヒントを紹介しているQ&Aシリーズの第4弾。今回のテーマは「ノート作り」です。玉川大学の山田深雪(やまだみゆき)先生に、そのポイントを紹介していただきました。
まだまだめざそう、授業の「アップデート」!
※当記事は、「教育シリーズ:国語の授業作りQ&A」(2022年10月発行)の記事を再構成したものです。




令和の学びのスタンダードとして、国語の授業にもタブレット端末が導入されるようになってきました。ノート作りの指導のポイントについて、紙のノートとタブレット端末との併用の視点も絡めながら考えていきたいと思います。
入学当初の1年生には、机のどこに何を置くかを丁寧に指導します。しかし、1人1台タブレット端末が導入されてからは、高学年の子どもの机上ほど混乱していませんか? 机の大きさに対して使用する教材や用具等が多く、タブレット端末や教科書の上にノートを広げて字を書いている子どもをよく見かけます。
ノートを作るためには、姿勢よく落ち着いて書ける状況を整えることが第一です。そのためのシンプルなポイントは、「ノートをとるときは、ノートを机にくっつけて書こう」と指導することです。基本的には、教科書やタブレット端末の一部がノートの上に載ることはあっても、教科書やタブレット端末の上でノートをとることのないように、年度当初は机の上を整える声かけが大切です。そうすると、ぐらつきがなくなり、姿勢や字形が整いやすく、書字のスピードも速くなります。
タブレット端末、教科書、ノートを一斉に使いやすいように、高学年くらいになると5ミリ方眼ノートを横向きにして使っている教室もあります。利き手に応じて、ノートを机のやや右下か左下に配置すると、タブレット端末を使いながらでもメモなどをとりやすくなります。
ノートをとることを習慣化しノートを活用させるためには、ノート作りの基本を子どもたちと確認することが大切です。基本ができていると、情報や考えを整理したり見つけたりしやすくなります。以下のようなことを押さえておきましょう。
いつも書くこととしては、日づけ/今日のめあて/今日のまとめ/振り返りなどが考えられます。これらをノートのどの位置に書くのかも年度当初に確認しておきましょう。そうすると、毎回指示を出さずとも子どもが「書く準備」をするようになります。
最近は、タブレット端末に「自分の考え」や「振り返り」を書き込むことも多く、見開きのノートに「めあて」と「まとめ」しか書かないケースもあります。別配布のワークシートを使ったときも同様のことが起こります。そのようなときは、ノートのページを線で区切り、分割して書かせるなどの工夫をしましょう。また、タブレット端末に自分の考えを書き込む際に、頭の中だけで思考している様子も見られます。考えをつくるためのメモスペースとしてノートを活用しましょう。
中学年くらいからは、「めあて」と「まとめ」の間に、「ワークシート(1)」「タブレット」などと自分の考えの記述先や使用したツール(ソフトウェア)を書く習慣をつけておくと、後で情報を探しやすくなります。どのツールを使って自分の考えをつくり、それをどこに保存したのかを子ども自身が知っておくことは、情報管理の意識を持たせ、情報活用能力を育てるためにも大切です。
色鉛筆(ペン)の有効な使い方を確認しておくことも、情報や考えを整理する上で大切です。例えば、赤鉛筆(ペン)の出番としては、「今日のめあて/今日のまとめ/振り返りを囲むとき」、「先生が色チョークで書いただいじな言葉や文を書くとき」「自分がだいじだと思うことを目立たせるとき」などが考えられます。机上をすっきりさせるためにも、使用する色は黒のほかに1、2色くらいを基本としておくとよいでしょう。
学年が上がるほど、オリジナルの内容や工夫が増えていくようにしたいものです。そのためには、低学年からノート指導を積み上げていくことが大切です。
低学年では、先生が黒板に書いたことや教科書の大切なところを、丁寧に書くことを目指します。
書字の丁寧さだけでなく、箇条書きの行頭を揃えて書いたり、◎などの印を使い分けたりして、「読みやすく」書くように指導しましょう。そのためには、子どもが苦痛なく書ける量や板書のスピードなどをあらかじめ考えておくことが大切です。
短い文章の視写を定期的に行い、書くことに慣れさせることも効果的です。視写は、文字の表記や助詞の使い方、句読点の打ち方などへの理解にもつながります。
中学年では、自分の考えとその理由を中心に、友達の考えをメモしたりだいじな言葉や文を目立つように書いたりすることを目指します。
ひとまとまりの文章の中に「自分の考え」と「理由」を埋め込んで書けることも大切ですが、慣れるまでは「自分の考え」「理由」などと見出しをつけて書かせるとよいでしょう。
文字を書くスピードには個人差があるため、板書に書かれた友達の考えを全て書き写すことよりも、友達の考えのキーワードや自分の考えと比べて気付いたことなどを「ひとことメモ」として書き留めることから始めましょう。
高学年では、根拠となる言葉や文をもとに自分の考えをつくっていくプロセスを書いたり友達の意見や考えを書き加えたりできるとよいでしょう。
高学年になると、ノートがより動的なものとなります。そのため、思考の流れを表す矢印や複数の考えを比べたりするための図表、自分で決めた記号や印(例えば、自分の考えであれば(自)、根拠となる叙述は「」で書き抜く)などを使って工夫をしましょう。また、友達の意見や考えを付け加えることができるように、余白を取ることも大切です。
ノートをとることが好きな子もいれば、面倒だと思う子もいます。教室にはいろいろな子どもがいますが、「書いておいてよかった」「書くことが楽しい」と思ってもらうためにも、ノートの出番をつくりましょう。
●ノートを拡大表示して、説明の補助に使う。
●毎時間の「振り返り」の前に、ノートの中で「『今日のまとめ』につながるだいじなポイント」となる所に印を入れさせる。
●単元全体の学習を振り返る段階において、ノートの余白に気づいたことを書き込ませる。
●「見た目の美しさ」だけでなく、内容のよさや書き込み量の豊富さ、形式の工夫、ノート作りの変容などにも着眼して評価する。
以上のように、書いたノートをもう一度使う場面を設けること、ノートを教師が多角的な視点で評価することが大切です。